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「あなたの命盤には火星がある。気が短いから気をつけて」
そう言われたことのある人は少なくありません。古書が火星につけた肩書きは確かに物々しく、「殺神」「大殺将」、凶厄・破壊・刑剋・疾病を司るとされます。この字面を見て平気でいるのは難しいでしょう。
ただ、古書には最後まで喋らせてください。同じ典籍には、こういう原則も書かれています。
命盤のいずれかの宮に忌や煞が単独で出ているだけなら、それは凶象が存在することを示すにすぎず、凶象が必ず現れるという意味ではない。忌と煞が交沖して初めて、凶象は引き出される。
この一文が読めれば、この記事の半分は終わったようなものです。火星が一つあることと、その出来事が起きることは、別の話です。自分の命盤と照らし合わせながら読みたい方は、先に無料で命盤を作成してください。
火星の本質:陽火、すべてが顔に出る
火星は陽火に属する南斗の浮星です。古書がこの星に与えた核心の定義は三語だけ、明瞭・迅速・外顕です。
平たく言えば、火星はあなたを悪くするのではなく、隠せなくする星です。
基本的な性質は「気性が激しい」「事があればすぐ反応し、行動に出る」「喜怒哀楽がまっすぐ外に出る」。嬉しいときも、不愉快なときも、もう限界というときも、周りには一目で伝わります。
これは欠点でしょうか。場面によります。誰かが先に動かないと始まらない場では、これは実行力と呼ばれます。腰を据えるべき場では、落ち着きのなさと呼ばれます。同じ性質でも、置き場所が変われば呼び名も変わります。
鈴星とはちょうど正反対
火星と鈴星はまとめて「火鈴」と呼ばれますが、二つの働き方は鏡合わせです。
| 火星(陽火) | 鈴星(陰火) | |
|---|---|---|
| 核心 | 明瞭・迅速・外顕 | 隠微・緩慢・内斂 |
| 発現 | 事があればすぐ反応し行動に出る | 心中で揺れ続け、すぐには出ない |
| 壊し方 | はっきりと、速く | 目立たず、ゆっくり腐食するが最終的な破壊力は強い |
火星は燃え上がって皆に見える火、鈴星は内にこもって燃える火です。外に出るほうが悪いとは限りません。少なくとも何が起きたのかは分かります。
古書が残した二つの「条件」
先ほどの原則は例外ではありません。火星の判詞には条件が至るところに書かれています。
条件その一、同宮に誰がいるかを見る。
煞星と同宮する甲級星曜が旺であれば凶性は小さく、甲級星曜が弱であれば凶性は大きい。
火星は単独で働く星ではありません。どの主星と一緒にいて、その主星の状態が良いかどうかが、火星の出方をそのまま決めます。
条件その二、対になったときが最も凶。
六煞星は対になって会するのを最も忌む。凶性が最も強くなるためである。生年の地支が寅・午・戌の人だけが、火鈴を同時に坐会する、あるいは火鈴に夾まれる可能性を持つ。
これは覚えておく価値があります。大半の人の命盤では、火鈴が同時に会することは構造上あり得ません。寅・午・戌年生まれの人だけに起こり得る配置です。「火鈴が揃っていて危ない」と言われたら、まず自分の年支を確認してください。
火星の最も有名な吉格:火貪格
古書が火星について語るとき、誰もが認める良い格があります。火貪格、つまり火星と貪狼の同宮で、横発を主るとされます。
一気に発する格で、わざわざ求める人もいるほどです。「殺神」と呼ばれた同じ星が、組む相手を得れば財をなす格になります。
ほかに二つ。
- 火羊格(擎羊と火星)— 威権出衆
- 火星と天馬で戦馬となす — 奔走と奮闘を主る
ただし公平のために言えば、同じ火星に古書は凶格も書いています。
- 武曲が羊陀に火宿を兼ねれば、財によって命を落とす
- 擎羊と火星は下賤なり(女命と明記)
最後の一条では少し立ち止まってください。同じ擎羊+火星で、男命には「威権出衆」、女命には「下賤」と書かれています。これは命理上の差ではなく、千年前の女性に対する前提です。この主題は〈女命の完全解説〉でより詳しく扱っています。
宮位別に見る火星
火星がどこに落ちるかで、影響を受ける領域が変わります。
| 宮位 | 主な影響 |
|---|---|
| 命宮 | 気が急き、反応が速い。廟旺の独坐なら福ともなるが、多くは「美中不足」を伴う |
| 疾厄宮 | あらゆる火症、瘍疽(できもの)、湿毒 |
| 遷移宮 | 外での奔走が多く、人からの助けを得にくい(命宮が吉旺なら限らない) |
| 財帛宮 | 入っては出ていく。起伏が大きい |
古書は火星が命宮に独坐する(廟旺)場合について、かなり正直な一句を残しています。富貴もあり得るが、美中不足。順風満帆を約束もしないかわりに、退場も宣告していません。
健康:古書で最も実用的な部分
火星に関する健康上の指摘は、判詞全体のなかで最も真面目に読む価値のある部分です。あらゆる火症、瘍疽、湿毒。
そしてここも条件付きです。忌と煞が交沖して初めて実際に引き出されます。羊陀が引き出すのは機能の低下や不調が多く、火鈴が加わって初めて実際の疾病になります。
より具体的な組み合わせです。
- 廉貞化忌が火鈴と沖 → 心火に関わるもの(心臓など)、あるいは心理・精神面
- 太陰化忌が火鈴と沖 → 腎水、炎症(尿道炎、腎炎、やけどによる炎症)あるいは視力
- 武曲化忌が火鈴と沖 → 肺金(呼吸器、大腸)あるいは神経系
これらは呪いではなく、体質の傾向についての注意喚起です。自分がどこを定期的に診てもらうべきか分かることのほうが、どんな開運グッズより実際的です。
公平な話:火星は実際に人をせっかちにする
条件の話をここまでしてきたので、正直なことも一つ書きます。
火星の核心的な影響は「明瞭・迅速・外顕」であり、反応速度と音量を両方とも上げます。好意的な人からは率直と見られ、そうでない人からはせっかちと見られます。中間はありません。
古書は火星を「性剛強」と書き、同時に「気性が激しい」とも書きます。これは中傷ではなく、数百年の観察の蓄積です。しかも細かく記録されています。羊陀と会すれば幼年に災厄が多い、命宮に独坐(陥地)すれば気性が荒く、労苦が多く、健康に問題が出やすい、というように。
鍛えるべきは「抑圧」ではなく「遅延」
火星の問題は反応の強度ではなく、反応の速度にあります。言葉が口から出てから言うべきでなかったと気づく、動いてからもっと良い手があったと気づく。損害はたいていその 0.5 秒に起きます。
ですから鍛えるべきは感情を飲み込むことではありません。火星にとってそれはほぼ不可能ですし、やれば鈴星のような内側の燻りに変わるだけです。そうではなく、次の三つです。
- 緩衝を一つ買う — 大事な言葉は十分だけ遅らせる。言わないのではなく、少し遅らせて言う
- 火を正しい場所に使う — 誰かが先に突っ込む必要がある場ではあなたは資産になる。じりじり磨く場では他の人に任せる
- 自分の火が人ではなく事に向いていると先に伝えておく — 後から謝るより有効です
本当のリスクは「せっかちであること」ではなく、せっかちに振る舞った後に誰も近づかなくなることです。社会は結局のところ集団生活です。角は削らなくていいのですが、その角が何のためにあるのかは周りに知らせておいてください。
では、火星は化解すべきか
その必要はありませんし、そもそもできません。
命盤は出生時刻から計算されます。時刻が変わらない以上、星は動きません。斗数に「星を取り除く」という操作は存在しません。古書の言う「制煞為用」は向きを与えることであって、消すことではありません。
本当にすべきことは三つです。どの宮に落ちているかを見る、どの主星と同宮しているかを見る、忌煞の交沖が成立しているかを見る。交沖がなければ、凶象は「存在する」だけで「起きる」ではありません。
何かを買えば火星を化解できると言う人がいたら、それは紫微斗数の話ではありません。
よくある質問
命盤に火星があると必ず気が短いのですか?
そうとは限りません。火星は確かに反応を速くし感情を外に出しますが、どの程度そう出るかは同宮する主星と、その主星が旺かどうかによります。古書も明確です。同宮の甲級星曜が旺なら凶性は小さく、弱ければ大きい。しかも火星が貪狼と会えば火貪格で横発を主り、吉星と会えば「威権出衆」ともなります。
火星と鈴星ではどちらが凶ですか?
方向が違うので優劣はつけられません。火星は陽火で、明瞭かつ迅速、破壊は急に来ますが見えます。鈴星は陰火で、隠微かつ緩慢、古書は「ゆっくり腐食するが最終的な破壊力は強い」と形容します。外に出るほうは少なくとも何が起きたか分かり、内にこもるほうは表面化したときにはすでにかなり蓄積していることが多いのです。
火鈴が同時に命盤に出るとどうなりますか?
まず自分が寅・午・戌年生まれかどうかを確認してください。古書が明記しているとおり、この三つの年支の人だけが火鈴を同時に坐会する、あるいは火鈴に夾まれる可能性を持ちます。他の年支では構造上起こりません。対になった煞星の作用が最も強いのは事実ですが、多くの人に起こる状況ではありません。
火星が疾厄宮にあると深刻ですか?
忌煞の交沖が成立しているかどうかで見ます。古書の原則は、単独の煞星は凶象が「存在する」ことを示すだけで、忌煞の交沖が引き出す、というものです。羊陀が引き出すのは機能の低下や不調が多く、火鈴が加わって初めて実際の疾病になります。心配するより、体質の注意喚起として受け取るほうが有効です。火症や炎症系の問題を定期的に気にかけてください。
「殺神」「大殺将」という呼び名は本当に怖いものですか?
それは古書が与えた肩書きであって、判決ではありません。同じ典籍のなかで火星は火貪格が横発を主る鍵でもあり、「威権出衆」ともなり得ます。肩書きは物々しくても条件ははっきり書かれています。肩書きだけを残して条件を落とせば、それはただの脅し文句になります。
火星が自分の命盤のどの宮にあり、どの主星と同宮しているかを知りたい方は、無料で命盤を作成すれば一目で分かります。
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